卵肉兼用地鶏とは、卵を産むことと、肉として食べること、その両方に適した地鶏のことです。鶏はふつう「卵をとる採卵用」と「肉をとる食肉用」に分けて飼われますが、卵肉兼用地鶏は、その両方の役割をあわせ持ちます。
採卵用・食肉用との違い
- 採卵用鶏
- 卵を多く産むことに特化した鶏。白色レグホンなど。年間約300個を産みますが、体は小さく、肉は多くありません。
- 食肉用鶏
- 早く大きく育つことに特化した鶏。ブロイラーなど。約50日で出荷され、卵はあまり産みません。
- 卵肉兼用鶏
- 卵をとることと、肉をとること、その両方をあわせ持つ鶏。産卵数は採卵用より少なめです。
卵肉兼用という飼い方
鶏を「卵をとる鶏」と「肉をとる鶏」に分けて飼うようになったのは、戦後のことです。早く育つ食肉専用のブロイラーが広まり、卵をたくさん産む採卵専用の鶏と、はっきり分かれていきました。
それ以前、農家で飼われていた鶏は、卵をとりながら、産まなくなったら肉にもなる——卵肉兼用が、あたりまえの姿でした。卵肉兼用の地鶏は、こうした専門化が進む前の、鶏との付き合い方に近い飼い方だといえます。
土佐ジロー ― 全国初の卵肉兼用地鶏
土佐ジローは1987年、全国で初めて「卵肉兼用」を目的に開発された地鶏です。高知県畜産試験場が、中山間地の小さな農家でも飼える実用的な鶏をめざし、原種に近い土佐地鶏(オス)に、産卵能力の高いロードアイランドレッド(メス)を掛け合わせて生み出しました。
卵は年間およそ180個と、採卵専用の鶏(年間約300個)より少なめです。そして、産卵の時期(約300日)を終えた鶏は、肉として活用されます。一羽の鶏から卵と肉の両方が得られ、その生涯を無駄なく活かせる——それが、卵肉兼用という考え方です。
とさやま養鶏場でも、この土佐ジローを卵肉兼用の地鶏として、土佐山の自然のなかで平飼いで育てています。